チタン酸バリウム薄膜の開発

 
■概   要
 携帯通信機器等で利用されている高周波デバイスは、更なる大容量高速通信にともなう高周波域での動作、そして小型化が要求されており、高周波域において高誘電率で低損失な誘電体薄膜が必要とされている。そこで、代表的な高誘電体材料であるチタン酸バリウム(BaTiO3;以降BTO)の低温で安価な薄膜作製方法について検討を行い、BTO結晶性ナノ粒子を直接成膜する薄膜形成方法を開発した。

■ 原理・構造
 高濃度前駆体溶液を用いた高濃度ゾル−ゲル法により得られたBTO粒子は、サイズが数nmで、高い結晶性を有している。本成膜方法では結晶性ナノ粒子を直接成膜に用いた。そのため、一般的なゾル−ゲル法のように結晶化のための高温焼結を行わなくて良い。よって、低温熱処理により機能発現が可能となり、膜の特性劣化の原因となる膜と基板との反応を抑制できる。また、成膜後の粒子径は小さく、大きな分極種を持たないため、高周波域でも誘電特性が安定すると考えられる。
 

(a) 2-メトキシエタノール中での
分散状態

(b) 単一粒子の格子縞

 

Fig.1 結晶性ナノ粒子のTEM像

Fig.2 薄膜表面のSEM像

 

■ 特   徴
1) 低周波から高周波域まで100以上の誘電率
2) 低温(800℃)での焼成で成膜可能
3) 一般的なゾル−ゲル法と比較してクラックが
 発生しにくい

■ 用   途
1) 積層コンデンサ
2) 高周波用材料
 


Fig.3 従来法と本法の比較

 

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